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ジスロマック点滴静注

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Q&A

希釈液量は減らせるか?

A.基本的に1mg/ml(1Vあたり500ml)に希釈。中心静脈から投与する場合は2mg/ml(1Vあたり250ml)まで液量を減らすことが可能。

国内第Ⅰ相試験で、注射液濃度が2.0mg/mLの場合、注射部位疼痛の発現頻度が上昇したため、1.0mg/mLを超える投与は原則として行わないこと。また、外国第Ⅰ相試験で注射液濃度が2.0mg/mLを超えた場合、注射部位疼痛及び注射部位反応の発現頻度が上昇するとの報告がある。

ジスロマック点滴静注用500mg「ファイザー」 添付文書

アジスロマイシン 500mg を注射液濃度1mg/mL、2mg/mL にて、点滴時間 1、2、3 時間により 1 日1 回単回もしくは反復投与したときの忍容性について検討した国内第 1 相試験において、臨床的に問題のある心電図異常は認められなかった。また同用量 500mg を高濃度(10mg/mL)、1 時間点滴で投与した外国第 1 相試験においても、QT 延長に関連する有害事象は認められなかった。しかし、外国において乳児に対する過量投与により徐脈性不整脈の報告があり、高濃度、短時間点滴により QT 延長の発現が否定できないことから、心疾患のある患者には QT 延長を考慮し注意喚起として設定した。

ジスロマック点滴静注用500mg「ファイザー」 インタビューフォーム

資料より、希釈濃度を2mg/ml(1Vあたり250ml)にした場合、心電図異常の発現頻度は変わらないが、注射部位関連の有害事象の発現頻度は上がる。

一般的に中心静脈投与の場合、静脈炎・穿刺部痛などの注射部位関連の有害事象は軽減される。

→中心静脈投与の場合、2mg/mlの希釈は患者状態により許容されると考える。

参考文献

・ジスロマック点滴静注用500mg「ファイザー」 添付文書

https://labeling.pfizer.com/ShowLabeling.aspx?id=15694

・ジスロマック点滴静注用500mg「ファイザー」 インタビューフォーム

https://www.pfizermedicalinformation.jp/system/files/medpage_section/zin01if_1.pdf

・内田祐之.アジスロマイシンの高濃度希釈投与における安全性の検討.日本化学療法学会雑誌.2014,vol.62,no.3

https://www.chemotherapy.or.jp/journal/jjc/06203/062030382.pdf

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2020年から病院薬剤師。
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